2006.07.04 Tuesday
中田英寿の引退 〜アフター・ナカタの時代へ〜
ヒデ、現役引退を表明(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/soccer/f-sc-tp0-20060703-55148.html ブラジル戦の見事な負けっぷりに,完全に観戦モードに入っていたけど,このニュースはやはり取り上げるべきだと思った. まだ29歳で,グループリーグ3戦での彼のパフォーマンスを見ても十分にやれると思うし,ボルトンへの完全移籍が無くなった時点で,「次はどこのチームでプレーするんだろう?」と楽しみにもしていた. しかし,彼は自身のHP(nakata.net)で引退宣言をした. 半年ほど前からこのW杯終了後にプロ選手としての引退を決意しており,新たな道へ進むことを考えていたようだ. ブラジル戦終了直後にピッチに倒れ込んでしばらく動かなかったことについても,HPのメッセージでその時の感情を述べている. 「ナカタは日本サッカーの発展とともに歩んできた」というようなことを,夜のニュース番組でサッカー解説者・中西哲生氏が言っていた.Jリーグ発足を高校生の時に向かえ,高校卒業後にプロとなる.アトランタ五輪に出場して,ブラジル代表に勝つという,いわゆる「マイアミの奇跡」を成し遂げ,W杯初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」の時には,既にA代表の中心となっていた. その後,イタリアへ渡り,セリエAデビュー戦でユベントス相手に2得点を挙げ,ASローマ時代にはトッティの控えに甘んじていたとは言え,スクデッドを獲得した. 以降,パルマ,ボローニャ,フィオレンティーナ(セリエA),ボルトン(イングランド・プレミア)と移籍するが,チームの要求と彼のプレースタイルと合わないこともあり,結果が表に見えてこないこともあった.しかし,世界選抜に何度も選ばれることからも,能力の高さは評価されていた(まあ,「ジャパンマネー欲しさ」で選ばれていたと考えることもできるが・・・).彼以前にも欧州に渡った選手はいるものの,彼のように結果を残したのは奥寺康彦氏(現FC横浜GM)くらいだろう(奥寺の方が凄いかもしれないが). 日本代表では98年のフランスW杯から現在に至るまで,ずっとチームの中心であり続け,特に今大会のアジア予選ではチームに対して常に檄を飛ばし続けてきた.ちなみに,W杯本大会10試合全てに出場した選手は彼1人である. Jリーグ発足後,日本サッカーは発展し続け,そのいつも中心にいた中田英寿. 彼の現役引退は,彼の「新しい旅」への始まりであると同時に,日本サッカーにとっても大きな分岐点となるだろう. |