やっぱり怪物は怪物なのか・・・
平山相太2ゴール、オランダ鮮烈デビュー
ワールドユース(WY)から約2ヶ月半,彼は戦いの地を大学からオランダへと変えた.
サッカーの選手生命はほとんどが30代で終わってしまうため,引退後を見越して国見高校から筑波大学へ進学した.しかし,アテネ五輪,WYと世界の同年代の選手,そして,日本のJリーグでプロとして戦っている選手を見て,彼の将来設計が甘いという事が分かったのではないだろうか?
アテネ五輪では進学してからコンディション調整が上手くいってなかったのか,結局無得点(1試合(後半から出場))で終わり,WYも4試合にフル出場しながら初戦のオランダ戦での1得点のみに終わった.
[(平山相太ファンサイト)Sota]
平山自身は非常に頭の良い人間ではあると思う.自分の今持っている力を理解しているからこそ,高校卒業後に数多のオファーを断って筑波大に進学を決めたのだろう.ちなみに理由は「プロでやっていく自信がない」だった.
それなら何故アテネ五輪やWYの招集を断らなかったのだろうか?
プロでやっていく自信は無いが,同年代の日本代表としてはやれる自信があるから断らなかったのだろうか?
そのような中途半端な状態が,アテネ五輪やWYでの(特にWY)の結果に結びついているのだと思う.
そして,このままではいけないと思い,オランダリーグへの挑戦を決めたのだろう.
シーズン前の練習に参加した本命のフェイエノルートからは結局オファーが無く,今シーズン1部に昇格したヘラクレスのオファーを受けた.
自分の意中のチームではない所からオファーを受けたところを考えると,平山の決意が並々では無いという事が分かる.平山の身長が武器になりにくいオランダを選んだところからも決意を窺える.
そして,20日のデビュー戦で2点を取った.
1点目は「日本から来た新人」として相手DFのマークがほとんど無い状態でFKに飛び込んで取った.
2点目はCKでとりあえずマークが付いていたものの,折り返したボールに注意を向けてある程度フリーになった状態でのゴールだった.
ほとんどノーマークだったとは言え,素晴らしい結果を残した.
しかし,この2ゴールで他のチームからの厳しいマークにあうだろう.
欧州リーグでデビュー戦2得点といえば,中田英寿がペルージャ時代のユベントス戦で2得点が有名だが,その後もの凄いマークにあった.
スペインのマジョルカの大久保嘉人もデビュー戦で1ゴール1アシストと華々しいデビューを飾ったが,やはり厳しいマークにあい,なかなか結果が出なかった時期があった.
平山はこの2人とは全く違うタイプの選手である.中田はトップ下〜ボランチなど中盤でゲームを作る選手であり,大久保は1〜1.5列目からスピードを生かして得点する選手である.それに対し,平山はゴール前やPA付近で,勝負したりポストプレーをしたりする選手である.
この2人とは違うプレッシャーを掛けられるだろう.それに打ち克ってまずはヘラクレスで自分のポジションを奪取し,コンスタントに結果を残せるように頑張って欲しい.
ただでさえ日本人のFWは欧州であまり良い扱いを受けていない.昨シーズン,コンスタントに試合に出場できたのは小野伸二(フェイエノルート),中村俊輔(レッジーナ→セルティック)という中盤の選手ばかりである.
大久保はケガをしていたため仕方ないとしても,高原,柳沢はそうではなかった.
もちろん,スペイン,イタリア,ドイツ,オランダと所属するリーグが違い,また所属するチーム事情も違うので一概には言えないが,欧州でFWとして大成するのは,やはり非常に厳しいだろう.
日本のFW陣でまだ釜本邦茂を超えるFWは現れていないと言われている.
幸いな事に平山はまだ20歳と若い選手である.まずは(釜本に対して非常に無礼ではあるが)釜本を超えるFWに成長して欲しいと思う.