2005.06.09 Thursday
マーケティングと創作と電車男
2chの書き込みから書籍化され大ヒットした「電車男」.
半年ほど前から漫画化され,ついに映画の上映も始まった.TVドラマ化の話もあるらしい. 「電車男マーケティング」――フィクションを流行らせて既成事実化する巧妙な戦略 ↑のブログの記事では,主人公「電車男」とお相手の「エルメス」が出会ったであろう路線を分析調査したり,鉄道会社に問い合わせたりして,この物語が事実なのか,創作なのかを検証している. そして,なぜ電車男の2匹目のドジョウがすくえない理由を,電車男がヒットした原因をもとにマーケティングの観点から分析している. 最後にこの記事の追記で「これは推測ではなく事実である」と締めている. 私も暇つぶしに1冊買ってみたが,もともと2chの素養を持っているので,ある程度すんなり読む事ができ,そこそこ楽しむ事はできた. 私は電車男のスレッドのレス全てを見た事はない.電車男のまとめサイトや書籍に載っているのはレス全体のたった6.4%であるらしいので,全レスを読もうと思うとそれこそ相当根気の要る作業である.削除された残り93.6%にどんなことが書かれてあるか知らない. この記事によると,最初に「シナリオありき」で,まとめサイトはそのシナリオに即したレスのみを掲載し直しただけであるとある. この推理(敢えてこう言うが)には特に破綻しているとは思わない.だから,電車男も創作であるという流れにも無理はないと思う. しかし,この記事には証拠が無いと思う.「状況証拠」はあるがそれだけである.「電車男が創作である」という証明にはなっていない.逆に「電車男が事実である」ということも証明するのは難しいだろう. 「実際に「電車男」と「エルメス」を連れてくれば良い」というのは,結局「どこぞのELTのギター似の男と中谷美紀似の女のカップルを並べただけ」という反論が出てしまうだけだ. どっちも証明するのは難しいと思う. 結論:面白ければ事実だろうと創作だろうとどっちでも良いんじゃないの? |